BUMP OF CHICKENの「くだらない唄」が好きです

突然ですが

私は「一番好きなアーティストは?」と聞かれたら、BUMP OF CHICKENと答えます。

理由を挙げるとキリがないのですが、特に歌詞が好きなんです。

そこでBUMPの歌詞を紹介する記事を書こうと思い付いて、なんとなく浮かんできたの

が「くだらない唄」という曲だったので、今回はこの曲の歌詞について私なりの解釈を

交えながら紹介させていただきます。

 

f:id:ichist:20191227203833j:plain

 

全体像

「僕」と「あなた」についての歌詞です。

 

歌詞の中に登場する「僕」と「あなた」は親密な仲であったようです。

ただし曲の冒頭の時点で、親密であったのは過去のことなのだろうと思います。

つまり、何らかの出来事があって疎遠になってしまった二人の曲であると考えています。

 

歌詞中では終始「僕」の一人称視点で時間が進んでいきます。

したがって、「あなた」の考えや気持ちがどのようなものであるかは分かりません。

一言で言ってしまえば、「僕」は「あなた」にもう一度会いたいと願い続けるが叶わな

い曲であると言えるでしょう。

 

具体的な歌詞

作詞・作曲 藤原基央

三日月が光る頃 この絵と同じ丘で待ってるよ

明日僕らは大人になるから ここで思い出をつくろう

「僕」は絵が得意なようです。

おそらく「あなた」との思い出の地なのであろう”丘”の絵を描き、そこで「あなた」と

再会することを夢見ます。

 神様見渡す限りに きれいなタンポポを咲かせてくれ

”丘”の絵を描きながら、「僕」は神様に願います。

完成した絵には、一面にきれいな黄色が広がっていることでしょう。

少しだけ僕はせきをして 最後のひとふでに願いを込める

となりでアナタはうつむいて タンポポでかんむりを

いよいよ”丘”の絵に最後の一筆が加えられます。

ところが不思議なことに、「僕」の隣には「アナタ」がいるようです。

「あなた」とは疎遠だったのでは?いや、そもそもなんで急に「アナタ」と片仮名表記

になったの?といきなり謎が湧いてきました。

ところが我々オーディエンスの理解が追い付かなくて当然なのです。

謎解きは次の一文で行われます。

(目が覚めれば 目が覚めれば) 

はい。

「僕」は絵を描きながら眠ってしまっていたのです。

先程、この絵と同じ丘で待ってるよという歌詞がありましたが、皮肉にも絵の世界の中

にある”丘”その場所で待ち合わせをすることになってしまったのです。

そこで出会えた人は、「あなた」のような姿をしていましたが、本物ではありません。

だから「アナタ」なのです。

また、歌詞全体を通してこの部分のみカッコ()付きで表記されています。

つまりここは「僕」の視点ではないと明示されており、逆に言えば他の部分は「僕」の

一人称でしかないと強調しているのだと思います。

かみさまぼくはふるえてる 背広もネクタイも見たくないよ

Tシャツに昨日しみ込んだ タンポポの匂いが忘れらんない 

目覚めた「僕」の絶望が感じられます。

震えるほどの絶望です。

これから社会人としての毎日が始まっていくのでしょう。

背広やネクタイを身に付けるということは、それまでの自分を変えるということであ

り、つまりこのままいくと「あなた」のことを忘れなければならないということを示し

ているのでしょう。

「僕」はTシャツにしみ込んだタンポポの匂いが忘れられません。

この匂いは「あなた」と過ごした時間の証なのです。

しかし、ここで悲しいことを思い出さなければなりません。

タンポポが咲いていたのは、絵の世界の中の”丘”です。

つまり、夢の世界です。

この一文で、目覚めた後も「僕」が夢の世界、もっと言えば想像の世界から抜け出せず

にいることが分かります。

この後「僕」はどうなるのでしょうか。

きのうのおかでひとりきり あなたがくるのをひたすらまった

くるはずないよわかってた ぼくはまだふるえてる 

ここまでで曲は終わりです。

まず目に付くのが全体が平仮名のみで書かれているということです。

これは「僕」が絶望し、憔悴しきっている様子を表現しているのではないでしょうか。

そして内容です。

「僕」は”丘”、つまり想像の世界で「あなた」がやって来るのを待ち続けるという選択

をしたようです。

そして残念ながら、というか当然ながら、「あなた」と会うという願いは叶っていませ

ん。

「僕」だって薄々気付いているんです。

このまま待っていても「あなた」が現れることなどないということに。

それでも最後にある通り、「僕」はまだ震えています。

これは眠りから最初に目覚めた時にもされていた表現です。

つまり、「僕」はこの曲で語られたストーリーの後も”丘”で「あなた」を待ち続けるこ

とになるのかもしれません

 

最後に

何度も聴いた曲ですが、改めてまとめてみるとなんとも悲しい曲だと感じました。

「僕」がこの後どうなるのか。

実はBUMPには「続・くだらない唄」という曲があり、単純に考えるとこの曲で「僕」

のその後を知ることができるはずです。

気になった方はぜひ調べてみてください。

また、今後このブログでも「続・くだらない唄」の歌詞について今回のような記事を書

くかもしれません。

その時はよろしくお願いします。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。